目次
■ 結論|緊張が強くなる原因は「比較」にある
人前で話すときに緊張してしまう人の多くは、
ある共通の思考にハマっています。
それが、
人と比べて自分を評価すること
です。
「あの人みたいに話せない」
そう思った瞬間、あなたの緊張は一気に強くなります。
・同僚は理路整然と話せている
・あの人は堂々としている
・自分もあのレベルで話さなければならない
このような思考が頭に浮かんだ瞬間、
あなたの意識は「伝えること」ではなく
“評価されること”に向いてしまいます。
そして結論から言うと、
この思考がある限り、緊張はなくなりません。
■ なぜ人は比較してしまうのか
人は本能的に、自分の立ち位置を確認しようとします。
・自分はできているのか
・評価されているのか
・周りより劣っていないか
特に社会人になると、
・評価
・成果
・結果
こうした環境の中で生きることになるため、
無意識に人と比べるクセが強くなっていきます。
問題は、
その比較を「話す場面」にまで持ち込んでしまうことです。
■ 比較が生む“終わらないループ”
比較には、決定的な落とし穴があります。
それは、
終わりがないことです。
仮に、周りと同じくらい話せるようになっても、
・もっと論理的に話せる人
・もっと分かりやすく話せる人
・もっと堂々としている人
必ず「上」が現れます。
するとまた、
「もっとああならなければ」と自分を追い込む。
この状態に入ると、
・どれだけ努力しても満足できない
・常に自分にダメ出しをする
・自信が積み上がらない
結果として、
自己肯定感は削られ続けます。
■ 【具体例】「あの人みたいに話さなければ」と思った瞬間に崩れる理由
職場では、この比較思考が日常的に起きています。
●ケース①:会議での発言前
会議で発言する直前、
「さっきの〇〇さん、分かりやすかったな」
「自分もあのくらい整理して話さなきゃ」
そう思った瞬間、
あなたは“自分の言葉”ではなく、
“誰かの話し方”を再現しようとします。
すると、
・言葉が不自然になる
・頭の中で構成を作ろうとして詰まる
・話し始めが遅れる
結果として、
緊張が一気に高まります。
●ケース②:朝礼スピーチ
前の人がうまく話しているのを見て、
「この流れで自分もちゃんと話さなきゃ」
「同じくらいのレベルでやらないといけない」
この状態で話し始めると、
・完璧にやろうとして言葉が出なくなる
・少し詰まるだけで焦る
・頭が真っ白になる
つまり、
自分のペースを完全に失うのです。
●ケース③:上司への報告
上司に報告する場面で、
「〇〇さんはいつも簡潔に話している」
「自分もあんなふうにまとめなきゃ」
そう思いながら話すと、
・削りすぎて逆に伝わらない
・言い直しが増える
・焦ってさらに崩れる
ここでも起きているのは同じです。
自分ではなく、誰かになろうとしている状態です。
緊張の原因は、話し方ではありません。
あなたの“思考のクセ”です。
■ あがり症の人ほど比較にハマりやすい理由
あがり症の人には、次の特徴があります。
・完璧にやらなければならない
・失敗してはいけない
・ちゃんと話さなければならない
つまり、
「こうあらねば」が強い。
だからこそ、
・理想の自分
・できている他人
と比較してしまい、
本来の自分とのズレ(自己不一致)が生まれます。
■ 解決策① 比較の土俵から降りる
ここで必要なのは、
勝つことではありません。
比較の土俵から降りることです。
比較の世界は、
・勝っても苦しい
・負けても苦しい
という構造になっています。
だから、
そもそもその土俵に立たない。
そのために、評価の基準を変えます。
他人基準ではなく、自分基準へ。
「周りよりうまく話せたか」ではなく、
「今の自分なりに、相手に伝えようとしたか」
この基準に変えるだけで、
緊張の質は大きく変わります。
■ 解決策② 自己一致という考え方
ここで重要になるのが、
自己一致です。
自己一致とは、
自分に正直でいる在り方。
他の誰かになろうとせず、等身大の自分でいられる状態です。
・緊張している自分
・うまく話せない自分
・不器用な自分
これらを無理に変えようとするのではなく、
「今はこういう自分なんだ」
「これが今の自分の状態なんだ」
と認める。
そしてそのままの自分で、
相手に伝えようとする。
この状態になると、
“無理にうまくやろうとする力み”が消えます。
結果として、
言葉が自然に出てくるようになり、
緊張もやわらいでいきます。
■ 人は「完璧な人」ではなく「人間らしい人」に惹かれる
多くの人は、
「うまく話せる人が評価される」と思っています。
しかし実際には違います。
・少し言葉に詰まりながらも
・一生懸命、自分の言葉で伝えている
こうした姿に、
人は安心感や共感を覚えます。
つまり、
人は“きれいな話し方”ではなく、“その人の在り方”に反応しているのです。
■ まとめ|自分を信じたとき、すべてが変わる
人前で話すときに一番苦しいのは、
できないことではありません。
他の誰かになろうとして、
自分を否定し続けることです。
比較をやめる。
自分の言葉で話す。
自分のペースで伝える。
この状態になったとき、
話すことは
「評価される場」から「伝える場」へ変わります。
自信とは、「自分を信じる」と書きます。
・うまくできたから自信がある
・評価されたから自信がある
これはすべて、
条件付きの自信です。
本当の自信とは、
・まだ未完成でもいい
・不完全でもいい
そのままの自分を、
「これでいい」と信じられる状態。
あなたは、他の誰かになる必要はありません。
あなたは、あなたのままでいい。
その前提に立てたとき、
話し方も、そして人生も、確実に変わり始めます。
関連記事 あわせて読みたい
■【完全解説】自己一致とは何か?あがり症を根本から変える心の在り方
■あがり症は生き方の病?緊張の正体にある自己否定という罠
著者紹介
大澤宏彰(おおさわ ひろあき)
社会人のあがり症専門メンタルトレーナー
人前や対人場面で「本来の力を発揮できない社会人」に向けて、
メンタルから話し方を変える指導を行っている。

営業職を経て、小学校教員として14年間勤務。
学校の教育相談担当として700件以上の面談を担当し、
特別支援教育(発達障害支援)の分野では全国レベルの実績を持つ。
しかしその一方で、
自身も重度のあがり症に長年悩んでいた。
人前や対人場面に強い恐怖を感じ、
教師でありながら「話すこと」が怖い。
手足が震える。
声が詰まる。
頭が真っ白になる。
そんな状態を何度も経験してきた。
あがり症に苦しみ、
一時期は自信を完全に失い、
ベッドから動けなくなるほど追い込まれる。
「このままでは変われない」
そう決意し、
話し方・心理学・メンタルトレーニングを
20年以上かけて徹底的に学び直す。
その経験から確信したのは、
話し方は“表面的な技術”ではなく、“メンタル”から変えなければ変わらない
ということ。
現在は、自身の克服体験と教育現場で培った指導力をもとに、
「メンタルから変える話し方教育」を専門に活動している。
■ 主な活動
・スピーチ革命塾 主宰(スピーチ実践/コミュニケーション実践)
・企業研修講師(プレゼン/対人コミュニケーション指導)
■ 実績
・登壇経験 約20,000時間
・受講生 延べ1,000名以上(3年間)
埼玉・群馬を拠点に、
あがり症克服専門の話し方教室を7教室運営。
現在はオンライン教室・個別トレーニングも行い、
全国の社会人の「話せない悩み」をサポートしている。
話すのが怖い人ほど、変われる。
あがり症は、性格ではなく“心の状態”です。
正しい順番で整えれば、誰でも変わることができます。
もしあなたが、
「頭では分かるのに、実際の場面でできない」
そう感じているなら、
それは能力の問題ではありません。
正しいやり方を、
正しい環境で実践できていないだけです。
話し方は、理解だけでは変わりません。
実際に“話す経験”を通して、はじめて変わります。
スピーチ革命塾では、
緊張している状態のままで話しながら、
「心のフォーム」を整えていく実践トレーニングを行っています。
同じ悩みを持つ社会人の中で、
安心して“そのままの自分で話せる場”を用意しています。
一人で変えようとしなくて大丈夫です。
変わる人は、「一歩踏み出した人」です。
まずは一度、体験してみてください。
埼玉・群馬を拠点に対面開催
オンラインでも全国対応