人前に立つと、手が震える。声がうわずる。頭が真っ白になる。
そして心の中で必死に唱える――
「緊張しないように」「手が震えないように」「落ち着け」
でも、その努力で緊張が小さくなった経験、ありますか?
……多くの方が、ないはずです。
なぜなら、緊張は「なくそう」とするほど強まるものだからです。
本当に大切なのは、「緊張を消すこと」ではなく、
“緊張したまま話せる自分”を育てること。
この記事では、緊張を“敵”ではなく“味方”として受け入れる考え方を、
心理のメカニズムからやさしく解説していきます。

目次
① 緊張をなくそうとするほど、緊張が強まる理由
あがり症の方がやってしまいがちなこと。
それは――
**「緊張しないように」「緊張がバレないように」「落ち着かなきゃ」**と
自分を必死にコントロールしようとすることです。
しかし、その努力が逆に緊張を増幅させるのです。
脳は「やめよう」と意識したことを、かえって強く意識してしまう構造になっています。
「緊張してはいけない」と思うたび、頭の中では“緊張”という言葉がリピート再生され、
結果的に意識の焦点が緊張そのものに固定されてしまうのです。
心拍数が上がり、呼吸が浅くなり、
さらに「やばい」と焦る――このループこそ、あがり症の正体です。
② 緊張は「あなたを守る自然な反応」
では、そもそも緊張とは何なのか?
それは、脳があなたを守ろうとしている証です。
人は、未知の状況や危険を感じたときに
自動的に体を「戦闘モード」に切り替えます。
- 心拍数が上がる
- 呼吸が速くなる
- 体がこわばる
これはすべて、あなたの命を守るための防衛反応。
つまり、**緊張とは「あなたを守るために働く自然な力」**なんです。
緊張しているとき、あなたは決して“おかしい(変)”のではありません。
正しく反応しているだけなんです。
③ 「緊張しない人」は存在しない
世の中には、堂々と話す人がたくさんいます。
「自分はあんなふうにはなれない」と思うかもしれません。
でも、安心してください。
“本当に緊張しない人”など、ほとんど存在しません。
プロのアナウンサーも、俳優も、講師も――
実はみんな、程度の差こそあれ、緊張しています。
違うのは、「緊張を感じているかどうか」ではなく、
**“緊張した自分をどう扱っているか”**です。
緊張を「ダメなもの」として否定するのか、
「自然な反応」として受け入れるのか。
その違いが、話すときの落ち着きや自信を大きく左右します。
④ あがり症克服のゴールは「緊張したまま話せる自分」
多くの人が、「緊張しない自分」になることを目標にしています。
しかし、それは達成不可能なゴールです。
なぜなら、緊張は人間としての本能だから。
完全に消すことは、誰にもできません。
それでも私たちは、
「緊張してはいけない」と思い込み、
緊張するたびに自分を責め、さらに緊張をこじらせていく。
その悪循環から抜け出すには、ゴールを変える必要があります。
それは――
🌱 「緊張したままでも話せる自分」を目指すこと。
緊張しても大丈夫。
震えても大丈夫。
うまく言えなくても、それが“あなたの自然な反応”なんです。
⑤ 緊張を受け入れることで、悪循環が止まる
緊張をなくそうとすると、
その意識がかえって緊張を増やしてしまいます。
けれども――
「緊張していい」と受け入れた瞬間、心はスッと落ち着くのです。
たとえば、こうつぶやいてみてください。
「今、緊張してるな」
「怖いけど、それでも大丈夫」
この“認める言葉”が、心を静かに整えてくれます。
人は、戦う相手がいなくなったときに、はじめて安心できます。
だからこそ、緊張を敵にしないでください。
むしろ、**「自分を守ろうとしてくれている存在」**として、
そっと味方につけてあげましょう。
⑥ まとめ:緊張は“敵”ではなく“あなたの味方”
あがり症を克服するというのは、
「緊張を無くすこと」ではありません。
**「緊張してもいい!と心から思えるようになること」**です。
緊張とは、あなたが本気で向き合っている証。
だからこそ、感じていい。
そしてその緊張を抱えたまま、一歩踏み出す勇気こそが、
あなたの“本当の自信”をつくります。
🌸 最後に
どうか忘れないでください。
あなたの緊張は、心の弱さではなく、
「目の前のことに誠実でいたい」という心のあらわれです。
だから――
緊張しても、怖くても、そのままで大丈夫。
完璧じゃなくていい。
震えてもいい。
そのままのあなたで、堂々と話していいんです。
🧑🏫著者紹介
大澤宏彰(おおさわ ひろあき)
埼玉のあがり症専門メンタルトレーナー

かつては、人前で自分の名前すらうまく言えないほどの“極度のあがり症”。
それでも――「どうしても伝えたい」という想いだけを支えに、人前に立ち続けてきました。
その経験の中で痛感したのは、
話し方を変えるには、まず“心”を整えること。
緊張してもいい。不安でもいい。怖くてもいい。自信がなくてもいい。
それでも、目の前の人に心を込めて話すことが何より大切。
上手に話すためのテクニックよりも、
「誰のために話すのか」という“マインド”が変わった瞬間、
人は誰でも、自然と堂々と自分を表現できるようになる。
それが、私がたどり着いた“あがり克服の原点”です。
現在は、あがり症克服のためのマンツーマン・メンタルトレーニングのほか、
埼玉でスピーチ教室【スピーチ革命塾】や、
コミュニケーション実践教室【コミュトレ道場】を主宰。
「話すのが怖い人ほど、変われる。」
その信念のもと、
ひとりでも多くの人が「自分の声で生きる」社会を目指しています。
📍埼玉を拠点に、オンライン・対面で指導
📩 無料相談・体験教室 → こちらから