目次
話し方を学んでも、本番になると崩れてしまう
「話し方の本を何冊も読んだのに、本番になると頭が真っ白になる」
「練習では話せるのに、会議になると言葉が出なくなる」
「もっと堂々と話そうと思うほど、余計に緊張してしまう」
そんな経験はありませんか。
私自身、かつて重度のあがり症に悩んでいました。
人前に立てば手足が震える。声が詰まる。頭が真っ白になる。
どうすれば話せるようになるのか。
話し方の技術、心理学、メンタルトレーニングなど、20年以上にわたって学び続けてきました。
もちろん、テクニックを学ぶことにも意味はありました。
しかし、あるところで気づいたのです。
どれほど話し方を学んでも、その技術を使う自分自身の「心」が崩れていたら、本番では使えない。
話し方には、テクニックより前に整えるべき「土台」がある。
私はその土台を、
「心のフォーム」
と呼んでいます。
話し方にも「フォーム」がある
スポーツにはフォームがあります。
野球ならバッティングフォーム。
ゴルフならスイングフォーム。
走ることにも、泳ぐことにもフォームがある。
フォームが整っていれば、多少プレッシャーがかかっても、自分の基本に戻れます。
私は、話し方も同じだと考えています。
ただし、話し方で最初に整えるべきフォームは、姿勢や発声ではありません。
話す瞬間の「心のフォーム」です。
人前に立った瞬間、
「失敗したらどうしよう」
「変な人だと思われないだろうか」
「管理職なんだから、ちゃんと話さなければ」
と心が崩れれば、持っている技術まで使えなくなります。
だから必要なのは、
「緊張しない自分」
を作ることではありません。
緊張しても、不安になっても、
「ここへ戻ればいい」と思える心の基準を持つこと。
それが心のフォームです。
心のフォームとは何か
私が考える「心のフォーム」は、とてもシンプルです。
自分の心に正直に、相手のために話す。
この二つです。
そして、それぞれを、
自己一致 × プレゼントマインド
と呼んでいます。
自己一致は、自分との関係。
プレゼントマインドは、相手との関係です。
自分を偽らない。
そして、自分のことばかり考えず、相手を見る。
この二つが揃ったとき、人は最も自然に、自分らしく話せるようになると私は考えています。
心のフォーム①「自己一致」
一つ目が、自己一致です。
簡単に言えば、
「自分の心に正直であること」。
人前に立つと、私たちはつい別の自分を作ろうとします。
「緊張してはいけない」
「堂々としなければ」
「弱いところを見せてはいけない」
「立派な人間に見せなければ」
しかし、本当の自分は緊張している。
不安もある。
怖さもある。
この「本当の自分」と「見せようとしている自分」にズレが生まれると、心にはさらに大きな負荷がかかります。
だから、
緊張しているなら、緊張している自分でいい。
不安なら、不安な自分でいい。
無理に変えなくていい。
“ちゃんとした自分”を演じるのをやめ、そのままの自分で話す。
これが自己一致です。
自己一致については、別の記事でさらに詳しく解説しています。
心のフォーム②「プレゼントマインド」
二つ目が、プレゼントマインドです。
緊張が強くなっているとき、頭の中を見てみると、
「失敗したらどうしよう」
「うまく話せるかな」
「どう思われるだろう」
と、意識がほとんど「自分」に向いています。
そこで、意識を相手へ向け直します。
「この人に何を届けたい?」
「この話を聞いて、どうなってほしい?」
「自分にできることは何だろう?」
例えば、
元気になってほしい。
安心してほしい。
笑顔になってほしい。
一つでも役立つ情報を持ち帰ってほしい。
それでいいのです。
話すことを、
「自分が評価される場」
ではなく、
「相手へのプレゼント」
と考える。
これがプレゼントマインドです。
なぜ、この2つが揃うと話しやすくなるのか
自己一致だけでは、「そのままの自分」で終わってしまう可能性があります。
プレゼントマインドだけでも、「相手のためにちゃんとしなければ」と自分を作ってしまう可能性があります。
だから、両方が必要なのです。
自分には、
「そのままの自分でいい」
と許す。
そして相手には、
「少しでも何かを届けよう」
と心を向ける。
自分を偽らず、相手を大切にする。
この二つが揃った状態が、私の考える「心のフォーム」です。
心・技術・実践の3つが話し方を育てる
私は、テクニックが必要ないと言っているわけではありません。
話の構成。
声。
表情。
間。
分かりやすい説明。
こうした技術は当然必要です。
しかし、順番があります。
心 × 技術 × 実践
です。
まず、どんな心で話すのか。
そのうえで技術を身につける。
そして実際に人前で使ってみる。
この3つを繰り返すことで、話し方は少しずつ自分のものになっていきます。
心のフォームは日常の人間関係にも表れる
心のフォームは、スピーチだけの話ではありません。
会議。
プレゼン。
部下との面談。
営業。
家族との会話。
初対面の人とのコミュニケーション。
すべて同じです。
自分をよく見せようとするほど、不自然になります。
自分のことだけ考えるほど、相手が見えなくなります。
反対に、
自分を偽らず、相手を大切にする。
この心で人と向き合えば、話し方だけでなく、人間関係そのものも少しずつ変わっていきます。
心のフォームは一度覚えて終わりではない
ただし、心のフォームは一度知れば完成するものではありません。
私自身も、
「よく見られたい」
「失敗したくない」
「認められたい」
と思うことがあります。
人間ですから当然です。
大切なのは、そうなってはいけないと思うことではありません。
気づいたら戻ればいい。
自分を作っていたら、
「そのままの自分でいい」
へ戻る。
自分のことばかり考えていたら、
「相手に何を届けよう」
へ戻る。
何度でも戻る。
心のフォームとは、崩れない心ではなく、崩れても戻れる「心の基準」なのです。
緊張していても、自分らしく話せる
私は長い間、
「緊張しない人にならなければ、話せるようにならない」
と思っていました。
でも、違いました。
緊張していてもいい。
不安でもいい。
完璧でなくてもいい。
そのままの自分で、目の前の人のために話せばいい。
話し方とは、単なるテクニックではありません。
その人の心が、言葉、声、表情、態度となって外へ表れたものです。
だから、迷ったら二つの基準へ戻ってください。
自分の心に正直に。
相手のために。
この二つが、緊張しても自分らしく話すための土台。
それが、私の考える**「心のフォーム」**です。
今日のまとめ
・話し方には、テクニックより前に「心の土台」がある
・心のフォーム=「自己一致 × プレゼントマインド」
・自己一致とは、自分を作らず、自分の心に正直に話すこと
・プレゼントマインドとは、「どう見られるか」ではなく「何を届けるか」に意識を向けること
・心のフォームは、緊張しないための方法ではなく、緊張しても戻れる心の基準
・心 × 技術 × 実践を繰り返すことで、話し方は自分の力になっていく
話し方の土台から整えたい方へ

スピーチ革命塾では、テクニックだけではなく、この「心のフォーム」を土台として話し方を学んでいきます。
人前で緊張すると本来の力を出せない。
いろいろな話し方を学んできたけれど、なかなか変われない。
そんな方は、技術を増やす前に、一度「話すときの心」を見直してみてください。
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話し方だけではなく、これから先も自分を支えてくれる「心の土台」を、一緒に育てていきましょう。