目次
人前で緊張する自分を、責めていませんか
会議で発言する前、胸が苦しくなる。
朝礼で自分の番が近づくと、逃げ出したくなる。
プレゼンの直前になると、
「失敗したらどうしよう」
「頭が真っ白になったらどうしよう」
そんな不安が止まらなくなる。
そして、終わったあとには、
「どうして自分はこんなに緊張するんだろう」
「もっと堂々とできないのか」
「こんな自分ではダメだ」
そうやって、自分を責めてしまう。
人前で緊張する方の多くは、緊張そのものよりも、
「緊張してしまう自分」
を嫌っています。
私も、長い間そうでした。
人前に立つたびに声が震える。
頭の中が真っ白になる。
周囲の人が、みんな自分より堂々として見える。
そのたびに、
「自分は弱い人間だ」
「人前で話す才能がない」
そう思ってきました。
でも今は、まったく違う見方をしています。
緊張しやすい人は、弱いのではありません。むしろ、人一倍強いものを持っている人です。
今日は、その話をさせてください。
なぜ、真面目な人ほど緊張するのか
これまで私は、話し方講師として多くの受講生と関わってきました。
人前で緊張する方。
対人関係で不安を感じる方。
会議になると発言できなくなる方。
管理職になり、人前で話す機会が増えたことで悩み始めた方。
いろいろな方が来られます。
その方々と接していて、私はあることに気づきました。
緊張で悩む方は、驚くほど真面目です。
責任感がある。
周りの人を大切にしている。
期待に応えたいという気持ちが強い。
仕事を雑にやりたくない。
相手に失礼なことを言いたくない。
だから、
「ちゃんとやりたい」
「分かりやすく伝えたい」
「相手に嫌な思いをさせたくない」
と考える。
その気持ちが強いからこそ、緊張するのです。
反対に考えてみてください。
その場がどうでもいい。
相手にどう思われても構わない。
失敗しても何とも思わない。
そんな状況で、人は強く緊張するでしょうか。
おそらく、そこまで緊張しません。
緊張するのは、その場を大切にしているから。
目の前の相手を大切にしているから。
自分の役割を果たしたいと思っているからです。
緊張は、あなたが本気でその場に向き合っている証拠でもあります。
緊張の裏側に隠れている三つの才能
緊張は、一見すると短所に見えます。
でも、物事には必ず二つの面があります。
表から見れば短所でも、裏から見れば強みになる。
緊張しやすい人の中には、少なくとも三つの才能が隠れています。
一つ目は、責任感です。
自分の役割をきちんと果たしたい。
周りに迷惑をかけたくない。
任された仕事を中途半端にしたくない。
そう思うから、緊張する。
責任感がない人は、
「まあ、どうにかなるだろう」
で済ませます。
しかし、責任感が強い人は違う。
事前に準備をする。
何度も確認する。
失敗しないように真剣に向き合う。
これは、立派な才能です。
二つ目は、誠実さです。
相手に失礼のないようにしたい。
できるだけ分かりやすく伝えたい。
相手の時間を無駄にしたくない。
そう考えられるのは、誠実だからです。
人前で緊張する方は、自分のことばかりを考えているように見えることがあります。
しかし、その奥には、
「相手にきちんと届けたい」
という想いが隠れている場合が少なくありません。
三つ目は、本気になれる力です。
何かに本気になれるから、怖くなる。
本気で成功させたいから、失敗が気になる。
どうでもいいことに、人はそこまで悩みません。
緊張するほど本気になれる。
これは、簡単なようで誰にでもできることではないのです。
責任感。
誠実さ。
本気になれる力。
そう考えると、緊張は単なる欠点ではなくなります。
あなたの中にある素晴らしい資質が、少し強く出すぎている状態とも言えるでしょう。
出来事よりも「意味づけ」が未来を変える
人は、起きた出来事そのものに苦しんでいるように見えます。
しかし実際には、出来事に対して自分が与えた意味に苦しんでいることが多い。
例えば、人前でうまく話せなかった。
言葉に詰まった。
声が震えた。
この出来事に、
「やっぱり自分はダメだ」
「人前で話す才能がない」
「もう二度と話したくない」
という意味を与えれば、心はどんどん苦しくなります。
次に人前へ立つ時も、
「また失敗するかもしれない」
という不安が強くなる。
しかし、同じ出来事でも、
「緊張すると、話すスピードが速くなることが分かった」
「準備した文章を丸暗記すると、飛んだ時に立て直せないと分かった」
「次は、最初の一文だけ決めてみよう」
と意味づけしたらどうでしょう。
出来事は同じです。
しかし、その後の感情と行動はまったく違ってきます。
前者は、自分を責めて終わる。
後者は、次の改善につながる。
人を変えるのは、起きた出来事ではありません。その出来事に、どんな意味を与えるかです。
ここが大きいと思っています。
失敗は、成功するための実験になる
私自身、これまで数え切れないほど人前で失敗してきました。
頭が真っ白になった。
準備した言葉が飛んだ。
声が震えた。
話したあとに、
「ああ言えばよかった」
「なぜ、あんな話し方をしたんだろう」
と悔やんだことも一度や二度ではありません。
昔は、そのたびに自分を責めていました。
しかし、それでは何も残らない。
自信だけが削られていきます。
そこで、失敗を「自分を責める材料」ではなく、
「改善点を見つけるための実験」
として見るようになりました。
なぜ言葉が飛んだのか。
なぜ緊張が強くなったのか。
どの瞬間に自分へ意識が向いたのか。
何を変えれば、次は少し話しやすくなるのか。
こうやって見ていくと、失敗の意味が変わります。
失敗は、能力がない証明ではない。
次に進むためのデータです。
もちろん、失敗した直後は落ち込みます。
悔しいものは悔しい。
無理に前向きになる必要もありません。
ただ、少し落ち着いたあとで、
「この経験から、何を持ち帰るか」
を考えてみる。
それだけで、失敗は未来の力に変わり始めます。
緊張をなくそうとするほど苦しくなる理由
あがり症に悩む方の多くは、
「緊張をなくしたい」
と思っています。
その気持ちはよく分かります。
緊張は苦しい。
できることなら感じたくない。
しかし、緊張をなくそうとするほど、かえって緊張が強くなることがあります。
なぜか。
「緊張してはいけない」
と思った瞬間、緊張している自分を監視し始めるからです。
心臓が速くなっていないか。
声が震えていないか。
手が震えていないか。
顔が赤くなっていないか。
意識がすべて自分に向かいます。
そして、少しでも緊張の反応を見つけると、
「まずい」
「また始まった」
「このままでは失敗する」
と不安が膨らんでいく。
緊張そのものより、
「緊張してはいけない」
という抵抗が、自分を苦しめていることも多いのです。
だから、緊張を敵にしない。
「今、緊張しているな」
「それだけ、この場を大切に思っているんだな」
と受け止めてみる。
無理に好きになる必要はありません。
ただ、追い出そうとしない。
それだけでも、心の中の戦いが少し静かになります。
緊張を力に変える「心のフォーム」
スピーチ革命塾では、人前で緊張しても崩れにくくなる話し方の土台を、
「心のフォーム」
と呼んでいます。
初めて聞く方にとっては、少し分かりにくい言葉かもしれません。
スポーツには、体を安定させるフォームがあります。
野球のバッティングフォーム。
ゴルフのスイング。
陸上の走る姿勢。
フォームが整っていれば、プレッシャーがかかっても、自分の動きに戻りやすくなります。
話し方も同じです。
声の出し方や身振り手振りより前に、話す時の心の構えがある。
それが、心のフォームです。
心のフォームには、二つの柱があります。
一つは、自分の心に正直であること。
緊張しているなら、
「緊張している」
と認める。
不安なら、
「今、不安を感じている」
と受け止める。
無理に堂々とした別人を演じない。
もう一つは、相手のために話すことです。
自分がどう見られるか。
失敗しないか。
上手に話せるか。
そこばかりに意識が向くと、緊張は強くなります。
そうではなく、
「目の前の人に何を届けたいか」
「どうすれば、少しでも分かりやすく伝わるか」
「この人に、どんな気持ちになってもらいたいか」
と相手に意識を向ける。
話は、相手へのプレゼントです。
自分の心に正直に、相手のために話す。これが、緊張に崩れない話し方の土台です。
緊張を消してから話すのではありません。
緊張した自分のまま、相手に心を向けて話す。
ここを目指していきます。
これからも、どんどん緊張していい
私は、緊張することを悪いことだとは思っていません。
緊張するということは、それだけ本気で生きているということ。
責任を果たしたいと思っている。
目の前の人を大切にしている。
期待に応えたいと思っている。
そんな心があるから、緊張するのです。
だから、緊張した時に、
「またダメだ」
と自分を責めないでほしい。
「自分には、それだけ本気になれる力がある」
と見てほしい。
もちろん、緊張で苦しくなっている時に、
「これは才能だ」
と簡単に思えないこともあるでしょう。
それでもいいのです。
すぐに考え方を変えられなくても構いません。
まずは、
「緊張には、悪い面しかないわけではない」
と知るところから始めてください。
それだけでも、自分に向ける言葉が少し変わります。
そして、自分に向ける言葉が変われば、感情が変わる。
感情が変われば、次の行動も変わっていきます。
緊張しなくなることを、ゴールにしなくていい。
緊張しても、自分を否定しない。
緊張しても、目の前の相手に心を向けられる。
緊張しても、自分らしく話せる。
そこまでいけば、緊張はもう敵ではありません。
緊張をなくすのではなく、緊張を力に変えていく。
その力は、あなたの中にもうあります。
今日のまとめ
・緊張しやすい人は、責任感や誠実さが強い
・緊張は、その場や相手を大切にしている証拠でもある
・失敗は、能力不足の証明ではなく、改善点を見つける実験になる
・出来事そのものより、どんな意味を与えるかが未来を変える
・緊張をなくそうとするほど、自分への意識が強くなりやすい
・心のフォームとは、自分の心に正直に、相手のために話すこと
・緊張はなくさなくていい。力に変えていけばいい
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話すのが怖い人ほど、変われる

私はこれまで、重度のあがり症に悩み、人前で話すことが怖くて仕方ありませんでした。
だからこそ、話せない苦しさも、悔しさも、情けなさも痛いほど分かります。
しかし、その悔しさがあったからこそ、私は20年以上にわたり話し方・心理学・メンタルトレーニングを学び続け、今では同じ悩みを抱える方のサポートをする仕事に就いています。
私は一つだけ確信していることがあります。
あがり症は、性格ではありません。
「心の問題」です。
だからこそ、正しい順番で心を整え、正しい環境で実践を積み重ねれば、誰でも少しずつ変わることができます。
スピーチ革命塾では、話し方のテクニックだけではなく、
「心のフォーム」
を土台に、
緊張しても、自分らしく話せる状態を育てる実践トレーニングを行っています。
もしあなたが、
「頭では分かっているのに、本番になるとできない。」
そう感じているなら、それは能力が足りないからではありません。
必要なのは、
知識ではなく、実践できる環境です。
同じ悩みを持つ仲間と一緒に、安心して挑戦し、少しずつ「できた」という成功体験を積み重ねていく。
その積み重ねが、あなたの人生を変えていきます。
変われた人に共通していることがあります。
それは、
「勇気を出して最初の一歩を踏み出したこと」。
ただ、それだけです。
もし本気で、
「あがり症を克服したい。」
「人前でも自分らしく話せるようになりたい。」
そう思っているなら、
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