人前で緊張すると、手が震える。
会食のとき、コップを持つ手が震える。
箸を持つ手が震えて、周りに気づかれないか気になってしまう。
人前でスピーチをするとき、マイクを持っている手が震える。
そんな「手の震え」に悩んでいる方はいませんか。
私自身、あがり症に長く悩んできた中で、緊張する場面で手が震えることがありました。
そして当時の私は、その震えを何とかしようと必死でした。
「震えるな」
「止まってくれ」
「周りに気づかれるな」
ところが、止めようとすればするほど、ますます震えが気になってくる。
今回は、私自身の経験も交えながら、
「なぜ、手の震えを止めようとするほど苦しくなるのか」
そして、
「では、どこに意識を向ければいいのか」
についてお話しします。
目次
- 手の震えを「止めなければ」と頑張っていませんか?
- 会食で「手が震えているのを見られたくない」と必死だった
- 100人ほどの前で、マイクを持つ手が震えた
- 問題は「震え」だけではなく、震えに意識を奪われていること
- 「気にしなければいい」と言われても、気になる
- 会食なら「手」ではなく、料理と相手に心を向ける
- スピーチなら「手」ではなく、伝えたいことに集中する
- 「どう見られるか」から「目の前のこと」へ
- 「震えている自分」を否定しない
- 「治そうとしない」とは、何もしないことではない
- 手の震えが気になったら、この3つを思い出してください
- 手の震えを止めることを、人生の目的にしない
- 今日のまとめ
- あわせて読みたい
- 手の震えや人前の緊張に悩んでいる方へ
手の震えを「止めなければ」と頑張っていませんか?
手の震えが気になる方は、震えが始まった瞬間に、
「まずい」
と思うのではないでしょうか。
「震えているのがバレたらどうしよう」
「何とか止めなきゃ」
「こんなところを見られたくない」
そして、震えている手を隠そうとする。
力を入れて、震えを抑えようとする。
なるべく手を見られないようにする。
でも、そのとき自分の意識はどこへ向いているでしょうか。
ほとんどが、
「自分の手」
に向いています。
「まだ震えている」
「さっきよりひどくなっていないか」
「周りに見られていないか」
「変に思われていないか」
ずっと自分の手を監視している状態になるんですね。
そうなると、ますます手の震えが気になります。
私は、
「手の震えを止めなければ」という意識そのものが、手の震えへのとらわれを強くしてしまうことがある
と考えています。
会食で「手が震えているのを見られたくない」と必死だった
私自身、特に手の震えが気になっていた場面の一つが、会食でした。
緊張する相手との食事です。
周りを見ると、みんな普通に箸を持っている。
普通にコップを持って飲んでいる。
そんな中で、自分だけ手が震えている。
ものすごく恥ずかしかったんですね。
「手が震えているのを見られたくない」
「変な人だと思われたらどうしよう」
そう思って、何とか震えを隠そうとしていました。
ところが、そうすればするほど、
「今、震えていないかな」
「コップを持ったらバレるかな」
「箸を持つ手を見られていないかな」
と、手のことばかり気になる。
その結果、目の前においしい料理があるのに、味がよく分からない。
せっかく相手が話してくれているのに、その話に集中できない。
そこにいるのに、その時間をまったく楽しめていないんです。
今振り返ると、
私は食事をしていたのではなく、自分の手の震えを監視していた
のだと思います。
100人ほどの前で、マイクを持つ手が震えた
人前でスピーチをしたときにも、同じ経験があります。
昔、100人ほどの前で話したときのことです。
マイクを持って話していると、緊張で手が震えてきました。
その瞬間、
「まずい」
と思いました。
「マイクが震えている」
「みんなにバレる」
「かっこ悪い」
そこで、何とか手の震えを止めようとしたんです。
マイクを強く握ったり、手に力を入れたりして、必死に抑えようとする。
でも、
「震えるな」
と思えば思うほど、私はますます震えが気になりました。
そして今度は、
「まだ震えている」
「見られている」
「どうしよう」
と頭の中がいっぱいになる。
結果として、本来話すはずだった内容にも集中できなくなり、自分でも何を話しているのか分からないような状態になってしまいました。
これも、会食のときとまったく同じです。
問題は「震え」だけではなく、震えに意識を奪われていること
ここで、一つ考えてみてください。
人前で手が震えたとき、
本当に苦しいのは、震えそのものだけでしょうか。
実際には、
「震えていることを見られたくない」
「緊張していると思われたくない」
「自信がない人だと思われたらどうしよう」
「かっこ悪いと思われたくない」
そんな思いが重なっていることがあります。
すると、
「目の前のこと」
ではなく、
「自分がどう見られているか」
へ意識が集中します。
会食なら、本来意識を向けたいのは料理や、一緒にいる相手との会話ですよね。
スピーチなら、本来意識を向けたいのは、自分が伝えたい内容と目の前の聞き手です。
でも、手の震えを気にし始めると、
「自分の手はどうなっている?」
「周りからどう見えている?」
という自分への意識がどんどん大きくなる。
これでは、目の前のことに集中できなくなってしまいます。
「気にしなければいい」と言われても、気になる
では、
「手の震えなんて、気にしなければいい」
と言われたらどうでしょう。
おそらく、
「それができれば苦労しないよ」
と思いますよね。
その通りだと思います。
気になるものを、
「気にするな」
と言われたからといって、簡単に気にしなくなるわけではありません。
だから私は、
「手の震えを気にしないようにしよう」
と頑張るよりも、
意識を向ける先を変えていくこと
が大切だと考えています。
会食なら「手」ではなく、料理と相手に心を向ける
例えば、会食で手が震えてきた。
そんなとき、
「震えを止めよう」
だけに意識を向けるのではなく、
目の前の料理を味わってみる。
「これ、おいしいな」
と味に意識を向ける。
相手が話しているなら、その話をしっかり聞いてみる。
「この人は今、何を伝えようとしているんだろう」
と相手に興味を持つ。
そして、自分も会話を楽しむ。
手が震えているかどうかではなく、
「今、自分は何をしているのか」
へ意識を戻していくんです。
もちろん、一度そうしたからといって、すぐに手の震えがなくなるとは限りません。
それでもいいんです。
手が震えていても、料理を味わう。
手が震えていても、相手の話を聞く。
震えをゼロにしてから食事を楽しむのではなく、
震えがあっても、目の前の時間に戻っていく。
ここが大切です。
スピーチなら「手」ではなく、伝えたいことに集中する
人前で話すときも同じです。
マイクを持つ手が震えてきた。
その瞬間、
「震えている」
「バレた」
「止めなきゃ」
と思うかもしれません。
そんなときこそ、
「まあ、震えていてもいい」
と一度受け入れる。
そして、
「それよりも、自分はこの人たちに何を伝えたいんだ?」
と、目の前の相手へ意識を戻す。
今日、自分が伝えたいことは何なのか。
この話を聞いた人に、何を持ち帰ってほしいのか。
何のために、自分は今ここで話しているのか。
そこへ心を向けていく。
手の震えをなくすことを、スピーチの目的にしないことです。
あなたが人前に立っている目的は、
「手を震わせないこと」
ではありません。
目の前の人に、何かを届けることです。
「どう見られるか」から「目の前のこと」へ
私は、手の震えに悩んでいる方にとって、この意識の方向はとても大切だと思っています。
手の震えが気になっているとき、
意識は自分の内側へ向きやすくなります。
「どう見られている?」
「震えに気づかれた?」
「変に思われていない?」
つまり、
「自分がどう見られるか」
に心を奪われている状態です。
だから、少しずつ外へ戻していく。
会食なら、料理や相手との会話へ。
仕事なら、目の前の業務へ。
スピーチなら、伝えたい内容や聞き手へ。
「震えをなくそう」
ではなく、
「今、目の前のことに何ができるだろう」
へ戻る。
私は、これを繰り返していくことが大切だと考えています。
「震えている自分」を否定しない
そして、もう一つ大切なことがあります。
それは、
手が震えている自分を、必要以上に否定しないことです。
「また震えてしまった」
「こんな自分はおかしい」
「どうして普通にできないんだ」
そうやって自分を責めるほど、手の震えは自分にとって「絶対に起きてはいけないもの」になっていきます。
だから、
「今、手が震えているな」
「緊張しているんだな」
「まあ、震えることもあるよな」
と、まずは今の自分をそのまま認める。
スピーチ革命塾では、こうして今の自分を否定せず、正直に認めることを、
「自己一致」
と呼んでいます。
震えを無理やり消してから行動するのではありません。
震えている自分も含めて、そのまま目の前のことへ向かっていく。
この考え方が大切です。
「治そうとしない」とは、何もしないことではない
ここは誤解してほしくないところです。
今回、
「手の震えを治そうとしない」
とお伝えしていますが、
「何もせず放っておけばいい」
という意味ではありません。
手の震えにはさまざまな原因が考えられます。
緊張とは関係のない場面でも震える、震えが続く、生活に大きな支障が出ているなど、気になる症状がある場合は、医療機関へ相談することも大切です。
今回お伝えしているのは、
緊張する場面で手が震えたときに、その震えを「絶対に止めなければ」と必死にコントロールしようとしすぎない
ということです。
「震えてはいけない」
「今すぐ止めなければ」
と震えと戦い続けるのではなく、
「今、震えているな」
と認めたうえで、
「では、自分は今、何をするのか」
へ戻っていく。
そこに力を使ってほしいのです。
手の震えが気になったら、この3つを思い出してください
次に緊張する場面で手が震えたら、次の3つを意識してみてください。
①「今、手が震えているな」と認める
無理に止めようとせず、まず今起きていることをそのまま確認します。
②「震えていてもいい」と許す
「震えたらダメ」という戦いから、少しだけ離れてみます。
③「今、目の前の何に心を向けるのか」を決める
会食なら、料理や相手との会話。
スピーチなら、聞き手に届けたいこと。
仕事なら、今やるべきこと。
意識を、
「震えている自分」
から、
「目の前の人や物事」
へ戻していく。
一度でうまくいかなくても構いません。
また手が気になったら、もう一度戻る。
それを繰り返していけばいいのです。
手の震えを止めることを、人生の目的にしない
手の震えに悩んでいると、
「この震えさえなくなれば」
と思うかもしれません。
私もそうでした。
でも、今振り返ると、
手を震わせないことに必死になるあまり、私は目の前にある大切なものを見失っていました。
せっかくの料理を味わえない。
せっかく一緒にいる人の話を聞けない。
せっかく人前に立って伝える機会があるのに、聞き手ではなく自分の手ばかり見ている。
それでは、あまりにももったいないと思うんです。
手が震えてもいい。
緊張してもいい。
その自分のまま、
料理を味わう。
人との会話を楽しむ。
自分の仕事に集中する。
目の前の人に、伝えたいことを届ける。
そうやって、
「震えをなくしてから生きる」のではなく、「震えがあっても目の前を生きる」。
私は、その方向へ少しずつ変えていくことが大切だと思っています。
今日のまとめ
・緊張による手の震えを必死に止めようとすると、かえって震えに意識が集中することがある
・「震えているのを見られたくない」という思いから、自分の見られ方ばかり気にしてしまうことがある
・「気にしないようにする」のではなく、目の前の人や物事へ意識を戻していく
・会食なら料理や会話、スピーチなら伝えたいことへ心を向ける
・手が震えている自分を否定せず、「今、震えているな」と認める
・「治そうとしない」とは放置することではなく、震えと戦い続けないということ
・緊張以外の場面でも震える、症状が続くなどの場合は、医療機関への相談も検討する
大切なのは、
「手を震わせないこと」ではなく、「今、目の前のことに心を向けること」。
手の震えを止めるために、その場にいるわけではありません。
会食なら、目の前の人との時間を楽しむため。
スピーチなら、目の前の人に何かを届けるため。
その本来の目的へ、何度でも戻ってみてください。
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手の震えや人前の緊張に悩んでいる方へ

人前で手が震える。
声が震える。
緊張していることを周囲に気づかれるのが怖い。
そして、
「どうすれば、この症状をなくせるのだろう」
と考え続けている。
そんな方は、症状だけではなく、
「緊張したとき、自分はどこへ心を向けているのか」
という部分にも目を向けてみてください。
スピーチ革命塾では、緊張を無理やり消すことだけを目指すのではなく、
今の自分を認める。
自分に正直になる。
そして、「どう見られるか」から「何を届けるか」へ心を向ける。
こうした「心のフォーム」を整えながら、実際に人前で話す経験を積み重ねていきます。
緊張や震えと戦うことだけに、力を使わない。
その力を、目の前の人に届けるために使っていきましょう。